アナタサヨナラテポンポン

古屋敷悠と森宇悠の暫定的ブログです。

イグジット・スルー・ザ・2023

さてさて、2023年いよいよ本日で最後。

みなさま今年もお世話になりました。

 

私個人はとてもとても濃い一年で、本当にいろいろなことがありました。

あまりにも濃かったんで今年の初めの方は記憶があいまいなんですが……珍しくこまめに写真を撮っていたので画像と共に振り返りをしていきたいと思います。

 

 

1-2月

マジで記憶がない。

2022年12月にクロジカ『蒲田行進曲を終えてから、本当に抜け殻のように生きていました。

この頃のカメラロールみても、労働先付近で撮った猫の写真とサイクリング中に撮った猫の写真しかない。真面目に生きてた。

あ、川越に旅行に行ってですね、メキシコ料理っていうかテックスメックス料理屋でサボテンのピクルスを食べたんですがどえらいおいしかったですね。サボテンの水煮缶買おうかと思いましたもん。

っていうかあれだ、この川越旅行は半分仕事だった。思い出した。真面目に生きてた。

あとなぜかカメラロール見返したら氷川きよしさんの写真撮ってました。なぜだ。

 

ちなみにこの段階で今年の仕事ってほとんど決まってなくて。

日本のラジオだけで、あと白紙だったので、まじで絶望してました。

ちょうど狙ってた事務所とのやり取りがうまく行かなくて、所属先を新たに探さなきゃいけなくなったっていうのもあって、絶望。

 

氷川きよしのあだ名が「きいな」だということに衝撃を受けて撮ったらしい



3月-4月

『視点』というイベントに代役要員として控えておりました。

といっても、何も起きなかったので、実際は劇場で観劇したり台本を読んでひとりあれこれ練ったり……というだけだったのですが。久しぶりに古巣のMUの活動が見られたのが楽しかったっすね。

 

そして日本のラジオ『浴室にて』の稽古が始まって、年始から一転、嬉しいことになっています。

以前からすごく出たいと思っていた日本のラジオだったのですが、念願かなって出演

、しかも奥さんと初めて共演というよくわからない状態で……稽古は楽しく、脚本も楽しく、「お風呂で増えちゃった人とほんとうのさいわいを探す人たち」の話でお風呂で増えちゃった人の役をやるというなかなか味わえない経験をしました……が、参加予定だったフェスの主催にまさかのハラスメントが発覚。しかも参加団体に対して主催団体の長(っていうか劇場のオーナー)が暴言恫喝っていうことで、急遽団体ごとフェス離脱、上演断念、まさかのお蔵入り……というなかなか味わえない結末を迎えました。

シアターアルファ東京(劇場名)、その後何してるんですかね。何もしてないんだろうな。

希望で息継ぎすると絶望が重なる。

日本のラジオ『浴室にて』はこういう話になる予定でした。ファーストシーン。なにこれ。

 

5-7月

Audibleの仕事が突然舞い込み(舞い込んだのはもっと前ですが)、ここから三か月ぐらいただひたすら『ミレニアム』シリーズ(小説)を朗読するマシーンと化していた。

この作品、最初に3部作が刊行され、その後作者が逝去した関係で別の作者が引き継いでさらに3作シリーズを続けたという変則的な作品なんですよ。

 

私はその後半の3作を担当。でもシリーズ全体の流れを知らないとどうにも読めないので、前半3作も下読みする必要がある……しかもそれぞれ上下巻で刊行……というわけでオファー受けてから2か月かけて12冊一気読み。脳が破裂するかと思いました。

 

でも下読み含めてとても楽しい仕事で、改めて朗読の仕事好きだなあと思いました。やっている内は冷や汗だらだらで悪戦苦闘しているんですがね。

 

ミレニアムシリーズは、スウェーデンを舞台にしたミステリ作品でして。

雑誌「ミレニアム」のジャーナリスト・ミカエルと、セキュリティ会社に勤める凄腕ハッカー・リスベットが陰謀と謎を解き明かしていくという作品です。

スウェーデン社会の暗部を描きつつ、きちんと個々の人間の生活や戦いにもスポットが当たっていて、先が気になりながらも登場人物を深く愛せる良作だと思います。

 

Audibleではフィリップ・マーロウシリーズ読んだ時もそうだったんですが、シリーズものをやると本当にラストが感慨深くて、すべて愛しい作品になりました。

弱者と、弱者を憎み虐げる者たちとの闘いの物語です。

 

4「蜘蛛の巣を払う女」上下

x.gd

www.audible.co.jp

 

5「復讐の炎を吐く女」上下

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6「死すべき女」上下

www.audible.co.jp

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それぞれよかったら聞いてください。

これだけ読んだ。上段は朗読も。下段は通読だけだけど。脳パンパンでした。

 

8-10月

どっぷりと、チェンソーマン」ザ・ステージでした。

いやーこの仕事決まった時、本当に嬉しかったですね。

今年の初めに舞台について発表された時点ではまだお声がけいただいていなくて、その後ひっそりと作・演出の松崎さんから相談されたときは驚き半分、ためらい半分でした。

 

私は2.5次元演劇では出演経験が乏しく、昨年、一昨年とBANANA FISH」TheStageに出演した時に、もう初めてばかりで戸惑いながら食らいつくので精いっぱいだったんですね。

その時の悔しい経験があったので、昨年、「BANANA FISH」後編が終わってからは身体づくりに注力してきて、それで昨年のクロジカ『蒲田行進曲』を乗り切れた、という経緯もあったんですが。

 

で、今回は「チェンソーマン」。言わずもがなの激烈ハイテンションバトル漫画。

ついていけるのか……? という不安はありつつも、ここで飛び込まなければどうにもならないと思い、快諾(内心ビクビク)

 

結果としては、最高の演劇公演に加われて大変幸せでした。

今まで経験したことないようなハードでお祭り騒ぎな演劇でしたが、全28公演、一人も欠けることなく終えられたこと、本当に感謝しております。

 

私は、ヤクザの親分、コウモリの悪魔、公安四課の先輩男性、というのをメインどころでやって、あとは警察官やったり、公安幹部やったり、ゾンビやったり、黒子やったり、幽霊の悪魔に紛れたり、永遠の悪魔に声あてたり……いろいろやってましたね。

 

コウモリの悪魔は、今まで経験ないマペット操演しながらリアルタイムで声を当てる、というのをやりまして。

あの、悪魔の頭部担当だったんですけど、あれが結構普通に重いんですね。

それを人間の身長よりも高く掲げないといけない、という……掲げつつ、叫ばないといけない、という……掲げつつ、叫びつつ、動き回らなきゃいけない……という。

これが、もう、1ステージやると腕の筋肉が死んでるんですよ。

手の力も使い果たして、帰り道スマホとか落とすんですよ、握力なくて。

それでも東京公演終えて京都に行く頃には体が出来上がり、一日2ステでもびくともしなくなっていました。人体って凄いね。

 

もちろんきついばかりでもなくて、操演するのはとても楽しかったです。

獅子舞(実際に「ここは狂った獅子舞でやって」という演出がついてたし)とか人形劇とかみて、色々研究してました。

 

今回学んだ一番大きなことはコウモリは一日2回まで。

 

とにかくみんな、スタッフさん含め前のめりでポジティブで不死身で、楽しい座組でした。ありがとうございましたー。

渋谷駅にもでかでかと広告が。私の名前もあって嬉しかった。あと湿布をこんなところに貼るの初めてだった。

 

 

11-12月

もちろんそれだけ楽しくハードな公演を終えたということは……そう、抜け殻です。

でも抜けてばかりもいられなくて、実は夏の終わりに身内に不幸があったりで、その後処理というか、事務処理なんかに奔走してました。

さらには急遽の引っ越しなんかも重なって、さらに忙しくなることに。

発狂しそうなほど……というか何度か発狂したり眠れなくなったりするほどてんやわんやではあったのですが、否応なく抜け殻を奮い立たせなきゃいけない状況になったのは逆に助かりました。

 

でも嬉しかったのは、そんな中でも文学フリマ東京にサークルnice科学として出店できたことで。まあ、私は昨年の既刊本だったのですが……。

それでも文学フリマは今まで参加した中でも一番の盛況で、我々nice科学も過去最高の売り上げ(とは言っても微々たるものなんですが)で終えることができました。もちろん課題も多々ありつつ、それでも今までやってきて一番多くの人にnice科学の作品が届いたことが嬉しかったですね。

nice科学は進化しているぞ!

 

あと、これは私がおそらくずっと抱えていくジレンマなのでしょうが。

俳優として忙しくなることは嬉しいし、いま最も注力しなければいけないことだというのもわかっているんですが、それでもやっぱり小説を書きたいんですね。お金にもならないし、時間も喰うし、なかなか満足のいくものは出来上がらないんですけど、それでも。

ここをどう両立させていくのか、諦めずに模索するのが来年の課題かもな、と思いました。

 

まあ、今のところ俳優業の方スカスカなんで心置きなく執筆できそうなんですが。

 

 

そしてそうこうしている内に来年1月の「OTHELLO SC」の稽古(これについてはまたの機会に宣伝がてら)が始まっております。

 

 

nice科学は進化している!(主に設営が)

 

 

年が終わる

で、2024年が明日からやってくるわけですよ。

明日から? マジで? 実感ない。

毎年実感ないと言っていますが、今年が一番かもしれない。一年が早かったから、というのではなく、一年が濃厚すぎて、まだ年明けてなかったの? というほうの実感のなさなんじゃないかと思う。

特にまとめられるような俯瞰した視点もまだ持ててない。とにかく大変な一年だった。

大変でした。総じて楽しかったし、こんな生活が続けばいいなとも思うけれど、それでも大変だった。

 

大変だった。

 

小学生の作文みたいな感想しか今は書けないんですが、とにかくそういうことらしいです。私の2023年。

 

みなみなさまお世話になりました。

どうぞ来年もよろしくお願いします。