めちゃめちゃに綺麗な空を見た。
自転車を乗り回して河原を走らせていた時、向こう岸の空が遠くまでひらけて見渡せて、半分は曇り、半分は晴れに綺麗に分かれて、遥か先の山の影まで綺麗に見えていた。
この景色は、何をしなくても、ふらりと河原に来ればみられる景色で。
それは私が金持ちだろうと貧乏だろうと、生活が苦しかろうとうまくいっていようと、何も成せなかろうとなんだろうと、変わらずに綺麗なまま、素晴らしいままこうして見えるのだと思うと、なんだかこの先がどうなってしまっても大丈夫だと錯覚してしまう。
例えばすごく面白い映画を観た時に。
例えばすごく夢中になれる小説を読んだときに。
例えば時間を忘れるようなサイクリングができた時に。
それらはすべて、私の人生の満足度とは無関係に楽しめる素晴らしいものたちで、この先の私の人生が望んだとおりに行かなかったとしても、いまこうなって欲しいという願望が叶わなかったとしても、このまま一生売れない人間だったとしても、それらは楽しんで余生を送ることができるのだと思うと、そうそう悪くないのではないかと思える。
そういうものを、改めて大事にして、コツコツとやっていきたいなとふと思った。
そういった地味だけど素敵なたくさんのものたちを、私の人生を進めていく上で、ふわついた、浮ついた、漂うような先行きをしっかりと形作ってくれるポイントに、していこうと思う。